2022年度版大学生向けノートパソコンの選び方~前編~

 こんにちは。はじめましての方ははじめまして。Rosyといいます。

 

 先日、浪人していた高校同期(無事第一志望に合格してました、マジおめでとう)と話していたとき、大学に向けどんなノートパソコンを買えばいいのかという話になりまして。

 その時はそいつの用途を抑えつつ色々アドバイスをして終わったのですが、その後ネットではどんなアドバイスがされているのか気になりまして。 それで調べたところ、いくつか気になる点があったんですよね。

・初心者に向けて丁寧に書いてるものが少ない(特に説明もなくいきなりcpuはこれがいい、メモリはこれぐらいなど書いている)

・(上と被るが)説明が端折られてたりする

・微妙に情報が不正確なものがある

・説明と実際に提示している商品に乖離がある

・(TwitterなどのSNSにおいて)「〇〇はやめろ!▲▲にしとけ!」という割には何故なのかがイマイチ説明されていないことがある

 そして、一番気になったのは

・コロナ禍における大学での活動の変化が反映されていない

 こんなところでしょうか。まあPCに詳しい人とかが周りにいればそれでいいんですが、そうでない人はこういう情報で最初の一台目のpcを選ばなきゃならないのかって思ったんですね。私も別にPCに詳しい訳ではないんですが、ちょうどいいネタですし、ここで一つじゃあ私も書いてみようと。

 そんな訳でダラダラと書いていきます。前後編に分けて、この前編では基本的な知識の共有と予算に10万〜20万位の余裕がある(つまり、所謂「生協のノートパソコン」を買う選択肢が金銭的な理由からは即切りされない)人向けのノートパソコンの選び方、後編では「そんな金ねえよ!」って方のための選び方をやっていく予定です。

 

大前提として:PCは大学生活に必要なのか

 必要です。というか大学によっては、1人1台PCを持つことを必須としていたりします(参考:https://utelecon.adm.u-tokyo.ac.jp/docs/byod) 。

 そうでなくても、pdfファイルでの資料配布やオンライン上のツールを用いた小テストの実施や課題の提出、あるいは既存のコミュニケーションアプリを用いた生徒への情報提供や教員とのやり取りなど、現状大学は生徒側のIT環境を教育の前提にしています。これは今後もほとんど変わらないでしょう。 また、コロナ禍において主流となった映像授業ですが、これは対面授業がメインに戻ったとしても大学生活の一部として残り続けると思われます。

 「でもそれってスマホタブレットで何とかなるんじゃない?」って思われた方もいると思います。実際、ある程度何とかなることにはなると思うのですが、これしか無いのはかなり厳しいように思われます。 この辺のデバイスマルチタスク(参考資料を開きつつオンライン授業を聞き、その内容をテキストファイルにまとめる等)を行うことがハード・ソフトの構造上非常に難しいです。また、環境にもよりますが、ファイルの操作・やり取りの勝手もpcに劣っていると感じます。

 別に大学が全体に一律に用意している訳ではないにも関わらず、最早大学生にとってpcは商売道具みたいなものです(一応経済的に困難な学生へのPC購入支援を大学がしてるケースもありますが)。この辺に対して私個人色々思うところがあるのですが、まあそれはさておきそんな訳でpcは大学生活に必須だと思います。

そもそもノートパソコンって中身どうなってんの?

 ではまあ実際のpcの話に入りましょう。まずは各パーツの解説からしていこうと思います。興味が無ければここはスキップしてください。

 ここではパソコンを作業部屋に例えつつ解説していこうと思います。

CPU

 パソコンで演算・制御を担当する中心的な部品です。演算とかいってますが要は作業部屋で実際に作業を行う人ってところです。
 多分皆さんがノートパソコンを選ぶ際によく見かけるのは大体この辺かなぁと思います。
 intel

     ・celeron
     ・core i3
     ・core i5
     ・core  i7
 amd
     ・ryzen 3
     ・ryzen 5
     ・ryzen 7
 他にもいっぱいあるんですが、まあ取り敢えずこの辺で。実際には、さらにその後に番号なんかが続けて示されてたりします(i5 1135g7みたいな感じ)。この後の番号の最初の1,2桁目がそのCPUの属する世代を表しています。intel製のcpuならi5 1135g7で第11世代,i5 8250uで第8世代と分かりやすいんですが、ryzenの場合はちょっとややこしくて、ここの番号と世代の数が一対一で対応していません。気になったらググってみてください。ちなみにintelの方は最新のが第11世代、amdの方は第5世代です。例外もありますが、同じi3とかi5ならおおよそは世代が新しい程性能が良いです。
 それでこいつら全部同じcpuなんですが、何が違うのかっていうと、大きいところでは「クロック数」と「コア数(スレッド数)」です。
 「クロック数」は作業部屋で作業する人一人あたりの作業速度で、「コア数」はその人数です。両方多い方が作業部屋全体の生産性が高い訳ですね。「コア数」と紛らわしい概念として「スレッド数」というものがあります。これは作業部屋で同時にこなせる作業の数です。「え、それは作業人数じゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、ほら、よく「私マルチタスクが得意なんだよねー笑」みたいなことを言う人がいるじゃないですか。コアもマルチタスクさせることが出来たりするんですよ。だから、「コア数」と「スレッド数」が異なる訳です。

メモリ

 一時的にデータなどを置いておくところです。作業机なんかと捉えていただけるとよいかなと思います。

ssd/hdd

 データを保管しておくところです。スマホでいうところのストレージで、本棚や材料置き場みたいに思っていただけるとよいかなぁと。ssdの方がかなり高速ですが、hddには大容量でも安価っていうメリットがあります。後ssdは書き込める回数の上限が予めあります。上限って言っても、一般的な用途で使ってたら基本5年位は持つと思いますが…。
 パソコンで何か作業をする時は、ssd/hddに保管されてるデータを作業机であるメモリにドカッと持ってきて処理をするんですが、この机が小さいとスペースが足りないから頻繁にデータを棚に片付けたり出したりをしなきゃいけなくなる訳です。ところがssd/hddのデータの読み書き速度ってメモリのそれに比べてかなり遅いんですよ。ですから、こういう状況になってしまうとパソコンの処理にかなり時間がかかってしまうという訳です。あと、棚や資材置き場が小さいとそもそも置けるもの自体が少なくなりますね。

 

 取り敢えずこの辺を分かって置くだけで、大分パソコンのスペックの話が入ってきやすくなると思います。

じゃあ、結局何を選べばいいの?

 では、実際にどんなノートパソコンを選べばいいのか、どう探せばいいのかについて書いていきます。最初にも書いた通り、この前編は10万~20万の予算がある人向け、後編はそんなに出せないって人向けです。以下、いくつかのパターンに分けますが、これらは全て「ある程度予算がある」前提で書いているものということは留意してください。

ケース1:パソコン本当に初心者で、かつPCを壊してしまう自信(?)がある

 生協の推奨しているpcを選びましょう。あれは、普通に買うよりもそれなりに割高ですが、サポートが手厚い印象です。何かあったときに販売店なんかではなく大学内の建物に行けばいいというのも一つのメリットでしょう(大学によっては違うかも)。

 世の中では「生協のpcはクソ!高すぎw」みたいな言説が広まりまくっていて、とかく敬遠されがちですが、初めてpcを使う大学生がスペックに大きな不満を感じるようなものではなく、十分な一品です。特に壊す自信(?)のある方はこれを選べば良いと思います。ちなみに一般的に新品のPCを買えば1年間は保証が付いてきます(延長が可能な場合もある)。個人的には1年間PCをそれなりに使って何も壊さなかった人は多分4年間特に壊さずに使えると思うのですが…まあこれは単なる私の意見です。

 逆に言えばそれ以外の理由で、例えば単に初心者だからという理由でこれを選ぶのはおすすめしません。パソコンの使い方の講座が付いてきたりするのでそれが魅力的に見えるかもしれませんが、実際に自分で動かしてみたり分からないことを自分でネットで調べて(今の時代多少専門なことでもパソコン関連のことなら調べたら大体出てきます)解決するというサイクルを今のうちから身につけておくと今後にとっても良いと思います。


ケース2:ケース1に当てはまらず、学校がOSを指定(推奨)している場合

そのOSが搭載されたpcを買いましょう。確認しておくと、OSはpcの基本的なソフトウェアのことで、スマホではIOSAndroidが有名ですね。pcではWindowsMac OSが主流ですが、ここが違うとpcの各種環境構築のやり方とかが色々変わってくるんですね。だから、そういう大学の授業で先生に指示された手順ではソフトなんかが扱えず途方に暮れる…なんてこともあるわけです。この指定が無い場合は大体の場合(たまに教える側が環境の違いに対応出来ない場合はあるけど)どっちを選んでも問題は無い…と思います。少なくとも私が在席する大学ではそうです。なお、Mac OSは基本Appleのpcにしか搭載されてません、参考までに。 具体的なスペックなど何を選べばよいかはケース3を参照していただけると良いです

 

ケース3:ここまで(特にケース1に)当てはまらなかった方

 結論からいうと、
  cpu:intelなら第10世代以降のcpuでi5以上
         ryzenなら第3世代以降のcpu
  メモリ:8gb以上(可能なら16gb)
  ssd:512gb以上(hddのみは不可)
  本体重量:1.5kg以下
  バッテリー:15時間以上
位のものを選べば、大学生活で困ることはまずないと思います。もし、学校が推奨スペックを指定していてこれより上のものがある場合はそちらに合わせてください。
 cpuの性能は、どの大学生も使うようなソフトが快適に動作し、多少重たいソフトでもそれなりに動かすことが出来る位です。

 メモリで8gbというと、zoomを開きながらoffice系のソフトやブラウザを立ち上げて作業をして埋まるか埋まらないか位の量です。実際これで足りるといえば足りるし用途的にはこれが定番なんですが、折角初めてpcを買うなら余裕を持たせて買ったほうが将来多少重たい作業をするとなっても快適にこなせると思います。

 後からメモリを別で買って増設すればいいよってアドバイスする人もよく見かけるんですが、今どきのノートパソコンはメモリが事実上交換不可能な仕様になってることが多いですし、そうでなくてもパソコンの保証が外れることが多いのでパソコンを初めて買う人皆には勧められない選択肢だなぁと思います。でもまあ確かにノートパソコンの裏蓋を躊躇なく開けれる人なら8gbのノートパソコンの中からメモリ交換可能なモデルを探してみるといいのかもしれません。

 ssdは256gbでもソフトを入れまくらない限りなんとかなるにはなるのですが、恐らく動画や画像は別の媒体に保存しないと直ぐに足りなくなるため若干不便ではあると思うのでこのサイズにしました。hddのみ搭載しているパソコンだと起動や読み込みが遅くて使えたもんじゃないので避ける方が無難でしょう。あ、メモリは4→8→16,ssdは128(120)→256(240)→512(480)と増えていくことが一般的で、間はあまり無いですね。念の為補足しておきます。
 重さも大学生が普段使うパソコンなら重要視したい要素です。毎日キャンパスに持っていくことを考えるとあまり重たいものを避けるほうが良いでしょう。2kgを超えるものになると、それなりに重たさを感じる印象です。
 それで、バッテリーについてです。まず、大前提として知っておいてほしいのは15時間と書いていてもその時間はほぼ確実に持たないということです。バッテリーでの稼働時間を測るときにどういう状況で行うかにもよるのですが、実情とはかなり差があります。去年私は10時間バッテリー駆動可能という文言を信じて新しいpcを購入したのですが、zoomで90分の授業を2回受けると満タンだったバッテリーが1数%になってしまうという苦い経験があります。大学にも学生が使えるコンセントがあるとは思いますが、必ずしも全員に十分な量あるわけでは無いです。対面とオンラインのハイブリッドになると大学のキャンパス内で講義を受ける機会も多くなると思うので、それなりにバッテリー容量が大きいものを選ぶ必要があるでしょう。

 ちなみに、USB PD という規格に対応した USB type C ポートを持つノートパソコンを選べば、モバイルバッテリーからPCを充電出来たりします。こういうものならばバッテリー駆動時間が10時間位であっても何とかなるのでは無いかなと思います。

  このラインのスペック(メモリは16gbとして)を価格コムで指定して検索すると大体約10万円のものから見つかります。後はレビューなり保証なり参考にしつつ選ぶと良いのではないかなと。ちなみにWindowsの場合初めて買うなら10,11のどちらでも良いと思います。

 

 今回はこんなところにしようと思います。後編ではこれより予算が取れない場合の選び方、何を何処まで削ればいいかのアドバイスを書こうと思います。

 

 ほなまた。